餓鬼岳(がきだけ)2647m

餓鬼岳頂上

餓鬼岳
(手前は餓鬼岳小屋)

燕岳より

2007年8月17日 曇り

11:28 中房温泉分岐出発。12:13 東沢岳。頂上通らず。頂上へは道が無いようである。10分休憩。暑い日だったが、上空の雲で日は陰り、適度な風が心地よい。燕岳やこれから向かう餓鬼方面がよく見渡せる。休憩後、出発するとすぐに中房温泉分岐で先に出発していた2人が休憩していたのを追い越す。13:31 7分休憩。14:15 急登でバッグを発見。帰りに持ち帰る予定なのか、置き忘れたようではなさそう。東沢岳からここまででまったく道標がなく、あとどれくらいなのかわからない。地図を出して見ると、途中の山を左から右に回りこんでいるようであった。東沢岳方向から裏に回りこんだ所は急登で、上の方で岩にかかる鉄梯子を上ると、左に綺麗な水色の湖が見え、落石注意の道を進むとやがて岩の上の道標に出た(→)。14:40 12分休憩。GPSを出して現在位置を確認してみると、餓鬼岳までは約1km。丁度、東沢岳と餓鬼岳の中間あたりである。GPSの高度を見てみると2618m。あれ?餓鬼岳より高い。よくよく地図を見るとやっぱり餓鬼岳より高い(後日、気が付いたのだが、実は地図の記載間違いだった)。目的の頂上より、途中の方が高いというのはほとんどなく、不思議な感じだ。ここから先は岩にかかった木の梯子が多く、一歩踏み外せば落ちて死亡となりかねない。慎重に通行する。山の中には随分と腐りかけた梯子を見てきたが、ここの梯子はまれに見る危なそうな梯子があった。そろりそろりと渡る。通行に技術はいらないが度胸は必要である。予定してなかっただけに不安になる。それとここには鎖やロープでなく3mmくらいの針金が張ってある。鎖ならつかんだ位置を保持できるが針金では滑ってしまう。素手では危険。注意して欲しい。15:14 そんな危険個所の連続に慣れ始めた頃、ようやく向こうに赤い屋根が見えた。不安な中にも先が見えて一安心(← 拡大写真では赤い屋根が確認できる)。ここを過ぎるとやがて梯子はなくなり普通の登山道となる。16:01 テント場。

餓鬼岳と餓鬼岳小屋(この写真では小屋は見えません)

すでに2張りのテントが張られていた。下界は霧でよくみえない。聞いてみるとテント場はここだけだそうで、もう1つか2つくらいしか張れない狭さ。しかも傾斜地。でも、贅沢は言ってられないので、急いでテントを張り、場所を確保した。しかし、その後は誰も来なかった。私の地図には水場があるように書いてあったので、小屋に行って聞いてみる。水場は無いそうである。水1L¥200。テント¥500。餓鬼岳小屋はこじんまりした小屋で寝る場所は大広間が1つあるだけのようだ。小屋の後ろの広場からは下の町並みがよくみえる。これまでソフトバンク携帯では通話できなかったが、なんとか通話できる位置を探して通話できた。
隣のテントの単独女性にどこから来たのか聞いてみると白沢(大町)からという。私の持って来た地図にはこれから先、危険とあったので情報が欲しかった。質問すると危険と答えた。しかし、その女性は初心者らしかったので、それ以上は質問しなかった。初心者が来られたくらいだから行けない事は無いだろうと想像した。このところだんだんと天気が悪くなるようで心配だが夜になると満点の星空で期待が持てた。
燕山荘で買ったミネラルウォーターを下まで持っていっても仕方がないので、飲んでみる。ミネラルウォーターというくらいだから、さぞかしうまいだろうと期待したが、予想に反してうまくない。しかも少し渋いような味。小屋の水よりは若干ましなくらいで、がっかり。自分の味覚が異常をきたしたのだろうか。それとも高山のせい?いつもはミネラルウォーターを冷やして飲んでいるので、常温で飲んだ事がない。まあこんなものなのかもしれない。山でうまいミネラルウォーターは無いものだろうか。今後、いくつか試飲してみる必要がありそうである。

8月18日 曇り

朝の気温14℃。寒くはなかった。カメラだけ持って頂上へ向かう。

5:19 餓鬼岳小屋(←)出発。5:24 頂上。曇っていて良く見えない。2分休憩。5:30 小屋着。

6:22 テント場出発。6:24 餓鬼岳小屋。発電機のディーゼルエンジンの排気の匂いが臭い。7:19 9分休憩。8:13 大凪山。5分休憩。9:50 最終水場(→)。沢水が流れている。どこかで猿の鳴き声がするが姿が見えない。14分休憩。10:30 魚止メの滝。11:02 紅葉の滝。11:17 5分休憩。11:47 白沢登山口。

11:56 餓鬼登山口(←)。

結局、それほど危険な個所は無かった。餓鬼岳を出ると、急坂で若干、ザレていたり、急で降りにくい所はあったが、滑っても死には至らないだろう。危険なのは最終水場より下の沢沿いの道。道が狭いうえに滑りやすく、沢から高さがあるので、誤って落ちれば死なないとも限らない。地図にあった危険個所はこちら側ではなく西側の梯子のあたりの間違いと思われる。餓鬼岳はどちらから行っても容易な山では無いと思う。初心者には難しい山だろう。

登山口には簡易トイレ有り。2ヶ所に15台くらい駐車できそうな駐車スペースがある。折りたたみ自転車で出発。12:43 安曇野沓掛(あずみのくつかけ)駅着。ほとんど下りなので、汗せずに到着。電車の時刻をみると13:13分発である。まだ時間があるので、アイスクリームでも食べたいと思ったが、コンビニも自動販売機も無い。あてが外れた。カツ丼でも食べたいところだが当然、無理。しかたなくポリタンクの水を飲む。まずい!電車は3分遅れて到着するとの放送があった。この駅は無人駅で電車はワンマンらしい。以前、五竜岳でも乗った事があるが、どうワンマンに乗ればいいのか忘れた。後から来た親子連れに聞いてみるが知らないという。母親は子供が電車に乗るのを見届けにきたようだ。この駅で乗車するのは私を入れて3人のみ。電車が来た。自転車を持って乗車する。お盆なのか意外と混雑していた。中に入ると乗車券を取れとの案内があった。私がいると乗車券を取れないので、乗車券を取って2人の子供に渡す。混雑しているので、座れずにザックを背負ったまま、自転車を支える。いくつか駅を過ぎて気が付いたのだが、降りる時は前から降りるようだ。混雑しているので自転車を引きずって前に行くのは困難。しかし、豊科(とよしな)の3つくらい手前の駅からは全部のドアが開くとの案内があり、ほっと一安心。逆コースだったら難儀したかも。無人駅ではワンマンなので前から出て運賃を支払うので注意が必要である。

13:47 豊科駅。到着すると迷惑にならないように最後に駅を出た。電車賃は¥320。手荷物料金が必要かと思ったが取られなかった。ここでいよいよカツ丼と思ったが駅前には何も無し。諦めて自転車で出発。駅前にはタクシーが並んで止まっていた。出発してGPSを見ると東に来ていた。逆である。大滝山は西なのでコース変更。豊科駅は東口しかないらしい。今日は暑い。GPSを見ながら適当に近道を進む。途中、主要道路沿いのコンビニでアイスクリームを食べる。その後は少しの登りなのにヘトヘト。100m進んでは日陰で休みを繰り返す。大滝(三郷)スカイラインの入口の塚田屋商店でアイスクリームを買い前のベンチで食べる。ジュースの自動販売機もあり天国にいるようである。16:08 ここで携帯で電話をかけて南安タクシーを呼ぶ。大滝スカイラインの入口の塚田屋商店と言うとすぐにわかった。これより先は山に入るので携帯が通じるかどうか不安なのと、タクシーを呼ぶのに適当な目印が無いという事を考えたからである。タクシーが来て、自転車を折りたたんでトランクに入れるが入りきらない。置いて行って後で引き取りに来ようかと思ったら、運転手がゴムベルトをかけてトランクは半開きのまま出発した。16:38 大滝登山口着。登山口までの料金は¥2,790。送迎料金が必要と思っていたが取られなかったようだ。自転車で走った甲斐があった(後でチェックしたところ、豊科駅より塚田屋商店までは約11km。駅からタクシーに乗ると、¥3,587程度多い料金となるはずである)。

南安タクシー フリーダイヤル 0120-72-2854 TEL 0263-72-2855(代表) http://www.nan-an.co.jp/

白沢登山口へ行くアルプスあずみ野公園へ通じるメイン道路は工事中でバリケードがあり、通行できなかった。バリケードは1ヶ所で東側より2〜3ヶ所、入る道路があり、回り込めば登山口まで車で行く事が可能である。簡易トイレのある餓鬼登山口までは舗装されていて、それほど狭い所はない。途中にモトクロス場があるようだが、近くの公衆電話ボックスの電話は取り外されていて使えない。

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