鑓温泉 |
長野県白馬村、¥300。猿倉荘から歩く事4時間、往復7時間歩かないと行けない温泉。
鑓温泉に着くと何やら解体作業中のもよう。来る前に今日が最後の営業日とは聞いていたがお客の姿は見えない。鑓温泉のドアを開けると、先に降りて行った男1人、女3人の一行が鑓温泉でカップメンを食べていた。鑓温泉の人の姿は無い。お昼ですかと尋ねるとラーメンを食べながら「んん」と言った。奥の方に歩いて行くと、奥から人が出て来たので温泉に入りたい旨を告げ300円を支払うと、温泉の場所の説明をしてくれた。指示された方へ行ってみると池のような場所があるだけだった。そこは周りに何も囲いが無く、道のすぐ脇で丸見え状態(女性用の場所はしっかり囲われていて景色が何も見えそうも無い)。不審に思って確かめようと、もう1度戻ってみたが温泉の人は居なかったので、カップメンをすすっているおじさんに「あの池の様な所がそうですか」と聞いてみると「大丈夫だよう。俺だってはいったんだから」との返事。そういう問題では無い。「男は度胸って訳ですか」と言うと女性陣は吹き出して笑っていた。仕方がないので、もうお金も支払ってしまった事だしと覚悟を決めて、下に降りる。脱衣所で服を脱ぎ始めると先ほどのおじさんが上から写真を撮っていた。通常、浴槽にはタオルは入れない事になっているが、丸裸を見せる訳にもいかないのでタオルを持って入浴する事にした。服を脱ぎタオルを手に足を入れて見る。熱い!腰までなんとか沈むがあまりにも熱いので1分もしないうちに上がって風呂の縁のコンクリートの上に上がる。そこに座ると登って来る登山者に丸見えとなるのでおちおち涼んでもいられない。こりゃ下呂温泉の噴泉池よりひどい。お湯は透明で白い湯の華が少し漂っていて綺麗だが兎に角熱い。温度を測ってみると45℃。谷側に近い方は44℃とやや低いもののそれでもやはり熱い。それでもせっかく来たのだからとなんとか温泉に我慢してつかっていると先ほどの4人が脇の登山道を歩いて降りて行った。4人が降りて行った後は今日が今期最後の営業日とあってか他には客はいないし、誰か登ってくる気配も無くひっそりとしていたので、4人が遠ざかってからは風呂の縁に上がったりして、ゆっくり涼む事が出来たので、何の気兼ねも無く思う存分に満喫出来た。温泉の味はあまり無くさっぱりしていて透明。匂いはわずかに硫黄のような感じ。浴槽の底はぬるぬるしている。コンクリート製の浴槽は温泉の成分がこけの様にひらひらと白く付いている。30分も楽しんだ後、帰りが遅くなると暗くなってしまうので、あまりゆっくりも出来ず早々に帰路に着いた。