らいちょう温泉ひのき風呂(雷鳥荘) |
富山県大町市(おおまち)。入浴料¥500。男女別。シャンプー石鹸有り。らいちょう温泉へ行くにはだいぶ歩く必要がある。室堂から30分程度はかかる。室堂へは長野県側の扇沢からトロリーバスを乗り継いで行く方法と立山町の立山駅よりバスで行く方法がある。室堂へマイカーで行く事はできない。室堂までの運賃は扇沢から往復¥8,500、立山駅からは¥4,190とかなり高い。歩いて行く事も可能だが山歩きになるので慣れない人にはお勧めできない。
扇沢へは国道147号より県道45号を終点まで行くと終点に扇沢がある。県道45号は全線舗装されており、そう狭くもない道路が終点まで続いている。扇沢には有料と無料の広い駐車場があり、トロリーバスに近い方が有料駐車場になっている。混雑時には無料駐車場は早朝には満車となり有料駐車場に置かなければならなくなる。日帰りでもなければ有料駐車場に駐車するのは避けたい。扇沢には24時間使えるトイレがあり、飲用可能な水道もある。トロリーバスは季節により運行が変わるのでよく時刻表を見て間違いのないように確認してください。大町市にはスーパーやコンビニがある。
扇沢情報
http://www.alpen-route.com/
雷鳥沢キャンプ場に夕方、到着し一息入れてから、ここにテントを張った目的の調査をした。確か雷鳥荘という温泉宿が近くにある筈である。テント場の真ん中には地図があったのでそれを眺めてみたが温泉マークは無い。持ってきた地図で雷鳥荘を確認するが温泉マークは無く、どれくらいの距離でどれくらいの時間で行けるのかわからない。ここに来ても何も情報が得られなかったのでややあせった。計画では剣岳からやや急げばそのまま室堂まで行きその日のうちに帰る事も可能だったのである。それをわざわざ温泉の為に1日を費やすようにしたのに。雷鳥荘まで行くのにあまり時間がかかるようなら諦めざるを得ない。それに温泉が雷鳥荘に本当にあるのかどうかも出発前にはよく確認できなかった。うっかりしてちゃんとメモを取らずに来てしまったが、確か雷鳥荘と思ったのだが別の名前だったかもしれない。近くにはみくりが池温泉というのもあるはずだがそこはやや遠いようである。思案していても仕方がないのでコンビニ袋に入浴の荷物などををまとめて歩き出した。ここから雷鳥荘までは道路の整備の途中らしく石畳にはなっているが工事中の所があり注意が必要だ。近くにも近代的な宿のようなものがあるが温泉がありそうにはみえない。夕闇迫る中、10分ほど石畳の階段を登りつめるとなんと雷鳥荘があった。意外に早く見つかった。
確かに雷鳥荘とあるが入口には温泉の看板とか何も表示がない。間違ったかな?温泉があれば大抵は温泉の表示くらいはあるのが普通だ。再度、隅から隅まで見るがそう大きな入口でもなく何度見ても温泉のおの字も無い。思い違いかそれとも表示が無いだけか。中に入ってあたりを見回すがやはり温泉の文字は見つからず。ちょっとがっかり。フロントには誰もいない。しばらくして外に出る。もう1度入口や周囲を念入りに見渡すがやはり温泉とは書いてない。ここは温泉ではないのか。しばし、沈む夕日を眺めながら悲壮感にひたる。しばらくするとフロントに誰か来たようだが、中に入って聞いてみようかと考えたが温泉の表示が無いので温泉ではないのだろう。わざわざ聞いて違いますなんて格好が悪い。しかし、これからどうするのか。せっかく温泉を楽しみにしていたのに計画倒れでは面白みも半減する。かといって別のところを探し当てるにはさらに時間がかかる。暗い夜道をあるのかどうかもわからない温泉を探してさ迷い歩くのは気が引ける。いずれにしてもここがダメなら温泉に入れたとしてもだいぶ時間がかかりそうだ。思案の末、まずはここが温泉かどうか確かめるのが得策であるとの結論に至った。
覚悟を決めてつかつかと中に入りフロントの人に聞いてみた。「あのー、ここは温泉ですか」すると「はい」と答えが返ってきた。一気に喜びに沸く。半分成功である。続いて質問、「入浴のみでも入れますか?」すると「入れます」。やった!踊り出したくなる気持ちを押さえてごく平静に入浴料金やら場所やらを尋ねた。靴を入れる場所も無いようなので靴はフロントにそのまま脱いで、靴は置いて行きますからと断りを入れると、入浴料¥500を支払い早速、風呂場に向かった。
風呂場は奥の下にあり、教えてもらった通りに行くと風呂場はすぐに見つかった。入ると1人いるだけだった。喜びいさんで服を脱ぎ掛け湯をして温泉に浸かる。浴槽はタイル貼りで仕切りで2つに分かれてはいるがあまり違いはないように見える。温度が違うのか。あまり違うようには思えない。温泉は透明、無味無臭で温泉なのかどうか判別がつかない。もっとも最近は匂いに鈍感になったので少しは匂いがあるのかもしれない。しばらくして先に入浴していた人は出て行ったので1人になり、入浴を満喫した。風呂場は広いので場所を持て余した。今の時間は夕食間際という事もあってかしばらくは誰も入って来なかったので自由に楽しんだ。そして、しばらくすると3人が入ってきた。私は温泉に疑問を感じたので入ってきた人に聞いてみた。すると温泉という事でここに決めたという事だった。しかし、やはり、何も匂いのようなものは感じないらしい。あまり温泉らしくない温泉ではあるが、一応、温泉ではあるらしいがちょっと拍子抜けである。1時間も入っていると飽きてきたのでそろそろ帰る事にした。身支度を整え風呂場から出ると、外にひのき風呂という木の看板があった。檜でも温泉らしくない温泉ではあまり面白みが無い。そのまま帰ろうと通り過ぎたが、せっかく来たのだから入ってみようと思いなおして引き返して入る事にした。
ひのき風呂はどうやら外にあるようだ。外の小さいプレハブのような建物に入る。こっちはこじんまりしている。脱衣所で服を脱ぎ風呂場に入って驚いた。これぞまさしく正真正銘の温泉だったのだ。箱型の木の浴槽の右側の木の樋から温泉が注がれて綺麗なうすい青い色をしている。温度は高く、持っていった温度計は50度までしか測れないものだったのすぐに振り切れた。たぶん70〜80℃程度はあるのだろう。左側の水道の蛇口からは冷たい水が出っぱなしで温泉の温度を下げている。右が熱くて左が冷たいだろうと思い、やや水道の近くに恐る恐る体を沈めた。温度は丁度良い。意外と浴槽の中の温度は均一で場所によって極端に温度が違うという事もないようである。温泉を舐めてみるとやや酸っぱい。何だか嬉しくなって小躍りしたい気分である。誰もいないので狭いが十分である。ここでも1時間ほど温泉を楽しみ、存分に楽しんだ後、帰り支度をしているとやっと最初の一人が入ってきた。
入浴後、立山へ入るのに荷物を少なくしてきたので大した食料もない。ここでたまには豪勢に夕食でもと思ったが残念ながらレストランで食事とはいかなかった。仕方がないのでフロントでビールを購入しようと思ったが買えなかったので食堂まで降りて行って500mlの缶ビールを購入した。館内は暖かくて気持ちがいいがビールを飲んでくつろげるような場所もないのでテントに戻る事にした。
テントにもぐり込んで、ビールのつまみをかじりながら満足感に浸る。あやふやな計画ながら計画通りに実行できた事は運が良かった。多少のハプニングもまた御愛嬌というものである。
追加未確認情報:雷鳥荘の温泉は近くの地獄谷から引いた温泉でみくりが池温泉、雷鳥沢ヒュッテ、ロッジ立山連峰も同様の温泉のようです。みくりが池温泉は外来は8:00〜16:00です。雷鳥荘は時間制限は無いように思います(フロントに人がいれば可能?)が確認してください。ロッジ立山連峰は外来入浴12:00〜18:00¥500のようです。雷鳥沢ヒュッテはキャンプ場に近いですが外来入浴可能かどうかは不明です。立山の地獄谷は歩道が整備されており近くまで行けるようですが、歩道以外の立ち入りは禁止されており、ガスの噴出があるので地獄谷で入浴するのは危険なようです。
みくりが池温泉 http://www.mikuri.com/
雷鳥沢ヒュッテ http://raityouzawahyutte.web.infoseek.co.jp/
ロッジ立山連峰 http://plaza11.mbn.or.jp/~lodge_renpo/