平内海中温泉 宮之浦岳

屋久島最高峰の宮之浦岳、せっかく来たのだから1度は行ってみたい。でもガイドブックを見ると1泊2日なのでどうしようか悩んでいたが、屋久島で何の気無しにふらっと立ち寄った書店で中身を見ずに買った100円の屋久島ガイドを見ると、宮之浦岳には日帰り出来そうなコースが載っていた。縄文杉登山とさして変わらない時間だ。

コースタイム(合計7時間45分)
淀川入口(2時間)花之江河(2時間20分)宮之浦岳(帰り1時間55分)花之江河(1時間30分)淀川入口

しかし、昨日、縄文杉を見に行ったので足にはまめが出来、右足は少し痛い。
では今日は平内海中温泉でも入ってと思ったが、ここは水着着用不可(立て札にそう書いてある)の丸見えの海岸にぽつんとある温泉(既に事前に下見して調査済み)で真昼間から入る勇気は無い。一応、道路などからは離れていて通りがかりの人に見られる事は無いが、温泉に入っている時に観光客の女性でも来たら目もあてられないし。と、思って少し暗くなるのを近くで待っていたが、ようやく8時過ぎとなり、あたりも暗くなり、意を決して出かけた。まず協力金100円を箱に入れる。100円が落ちてジャリという音がした。けっこう貯まっているようだ。途中で土足厳禁の境界線の所でサンダルを脱いで裸足で行くと、な、なんと、温泉は海の中。満潮で海中に没してしまったのだ。くそっ!100円はどうしてくれる。後の祭りだ。考えてもしょうがない。車まで戻ってどうしようかと考えた。え〜と、たしか月は地球の回りを1日に2回、回るはずだから、満潮は1日に2回あるんだよな(海なし県に住む私は実感として潮の満ち干がわかって無い)。だからきっと24時間、割る4で6時間後には干潮になるはずだ(あまり自信が無い)。明日の朝まで待とうか悩む。でも、今日、縄文杉登山で汗をかいたので肌がじとっとしている。風呂に入りたい。そうだ、そういえば海中温泉の入口に水道があったな。もう一度引き返した。なぜか水道には前来たときにはなかった筈のホースが付いている。これは好都合だ。服を脱いで蛇口をひねる。水が出ているようだがなぜかホースから水が出てこない。はて?ホースを暗がりの中点検すると途中が裂けて水がもれていた。なんてこった!ホースの裂けている所を手で押さえて無事に行水完了。うーん、さっぱりした。
その日は、ここでは電波が弱くポータブルの液晶テレビで天気予報が見れないので尾之間まで移動して天気予報を見る。
天気予報を見ると、前半はまずまずだが週の後半は下り坂。よし、明日行ける所まで行って見よう。いざ、宮之浦岳登山、決行。

次の日、朝、4時20分に起きて平内へ行く。空は少し明るくなりかけているが、まだ暗い。5時前に到着して行ってみると既に車が1台止まっていた。だれかいるのか。いる!おじいさんが1人。おはようございます!と声をかけて私も温泉に入る。いい湯加減だ。海水がまざっているかなと思いなめてみたが塩辛くはない。そしてカメラをセット。タイマーでぱちりと行きたかったのだが、焦って体制が悪いうちにシャッターが切れてしまった。もう1度やりなおし、またすべってしまった。もういいや、と諦めた。帰ろうと支度をしていると向こうからおじさんが来る。お先にと言って出て、おじさんにまた、おはようございますと挨拶したらおはようと返ってきた。車に戻るとまた車が止まった2人連れのお兄さんが出てきた。けっこう、地元の人は入るらしい。(写真は真っ暗だがストロボを焚いた為で、うす明るくなった海を見ながら入浴した)
急いで淀川登山口へ向かう。
安房の「ひまわりてい」でおにぎり弁当を受け取る。1つでも作ってもらえるのでありがたい。昨日、おにぎりは飽きたので何か他のメニューに変えてもらおうと思ったが、失敗。結局、3日間同じ弁当になってしまった。でも、朝早くからお弁当を作ってもらえるのはありがたい。屋久杉ランドまでの道は狭い所や工事中の所もある。途中、人間と自然に向き合えるサルが車のボンネットの上に乗ったりして、遊んでいる人がいるが、私はそんな悠長な事はしていられない。屋久杉ランドを過ぎると道路は未舗装となり、かなり荒れているのでスピードは出せない。デコボコの道をハンドルを切って下をこすらない様によけながら進む。ここは車高の高い車が必要だ。本州では近頃はほとんど未舗装の道が無いので、車を買う時に気をつかわなかった。昔の尾瀬の鳩待峠の悪路を思い出す。
淀川登山口には車は1台しか無かった。トイレはあるが水は手洗い用の水のみである。駐車場は狭く10台位駐車可能。

写真は平内海中温泉の入り口、坂の下の右に温泉が見える(風呂は3つある)


宮之浦岳

7月5日
6:46淀川登山口、出発。と思ったら昨日の平内海中温泉の時に、懐中電灯を使い持ってこなかった事に気づき戻る。
6:57淀川登山口、再出発。
7:34淀川小屋、着。5分休憩。歩き始めても足は幸いにも痛くない。
8:47小花之江河、着。花之江河へ行く途中2本の気が上にある所がある。知らないで1本目はよけるが2本目に頭をぶつける。気をつけよう。
9:05花之江河、着。8分休憩。
9:27黒味分岐。
9:45弁当を食べ休憩。10:10出発。
11:42くりお岳(下の写真)。ここいらへんは深い笹が多く朝露でぐっしょりと濡れてしまう。また笹に隠れて木の根が出ているのでゆっくりと歩いた方がいい。私や他の2人連れもひざに当ててしまった。

12:00宮之浦岳、着。東京から来た2人連れと話がはずみ長くいてしまった。
12:50下山
14:47花之江河。18分休憩。ここを出てうっかりして栗生、湯泊歩道に行きそうになった。湯泊歩道を下ればまた平内海中温泉に出る。
16:14淀川小屋。
16:59淀川登山口、着。

花之江河は尾瀬にも似た湿原でとてもきれいだ。宮之浦岳へ行ってみて、むしろ縄文杉登山よりも山の変化に富んだ宮之浦岳の方がよかったように思う。どちらか1つと言えばこちらを選びたい。足に自信が無ければ花之江河か、そこのすぐ先の投石平あたりまでで引き返しても充分に楽しめる。