かもしか温泉跡
蔵王山の南の道路の東のゲートの前に賽の河原がある。トイレ有り。そこを起点にする遊歩道の先にかもしか温泉跡がある。今日、蔵王山の熊野岳で会った百名山をすべて登ったという人に、近くに無料の温泉は無いですか?と尋ねたところ、かもしか温泉跡の近くに腰までしか入れない温泉があると聞いた。行ってみる事にした。
’99年10月19日 快晴
13:06 賽の河原出発。13:24 遊歩道終点。13:44 新関温泉分岐。10m位先に沢がありそこを渡る。(丸太橋)
14:02 沢。壊れかかった橋を渡る。(写真左)もう少し増水していれば靴が濡れてしまう。14:04 追分分岐。
14:05 かもしか温泉跡着。小さいがお城の石垣のようになっていた。むこうには火山の煙が2ケ所位からもうもうと立ち上っていた。かもしか温泉跡の温泉は何処にあるのかと良く見ると太いゴムパイプが煙の方に延びている。ロバの耳コースの方へ少し行くと小川があり、その中に暖かい所があった。少し掘ってみるが深くは出来ない。煙の上がっている所に源泉がありそうだが有毒ガスに巻かれてはと勇気が出ない。結局、ここはだいぶぬるいのと日が暮れるまでに戻りたいので入るのはあきらめた。
14:46 帰る。14:50 沢。15:06 沢(新関温泉分岐)。
15:31 遊歩道終点。途中で2人の警察官らしき人に会い、かもしか温泉跡までの時間と火山の煙の事を聞かれる。何かあったんだろうか。煙はいつもより多いか、と聞かれたが私は初めてなのでわからない。もしかしたら火山活動が活発になって来ているのかもしれない。
15:53 賽の河原着。パトカーが1台止まっていた。この時期午後3時を過ぎると急に冷え込んでくる。ううっ寒い。
後日、帰ってから温泉の本で、あの煙の上がっている所に温泉があるらしい事がわかった。登山道はきっちりあるので迷う事は無い。ロバの耳コースから蔵王へは崩れて危険なので行かない事。遊歩道終点から先は200mくらいは下りとなるのでペースに気をつけて、帰りは登りとなる。2ヶ所沢を渡るが立派な橋は無い。途中、登山道がやや崩れている所があるので注意。
2000年9月7日 曇り
去年と同じ所に又行ってみた。途中の橋は新しく奇麗になっていた。温泉についてみると、驚いた事にやや広がって、手前の堤防が強化されて水位が上がったので少し深くなっていた。すばらしい出来栄えだ。感心して見とれた!温度は36℃、以前より温度は高く感じられた(季節のせいもあるかもしれない)。透明なお湯を口に含んでみると鉄錆の味がする。最近、温泉の味をみる癖がついてしまった。相変わらずの鉄錆の色だが底の方に白い析出物が出来ていた。
先へは行かない事と言っておきながら実は私は行っていたのである。このホームページでは場所の案内を詳しくしていますがその目的は安全に早くたどりつける事を願っているからです。山の中で場所がわからずにうろうろする事は探すという楽しさはありますが反面危険な事でもあります。探しているうちに山の中で迷ってしまうかもしれない。また町中で車でうろうろしていれば近所迷惑にもなりかねない。マナーを守って温泉を楽しんでいただきたいと願っています。さてこの場所ですがこのページを掲載した後、雑誌やその他でこの場所の記事が出版されているようです。どのような内容かはわかりません。それ以前にも情報はあり、私がこの場所に行く事が出来たのだから、もし、あなたがこのページを見ないとしても恐らくここを探して行く事は可能だと思います。ですからあなたが行かれる前に情報を提供したいと考えます。
この場所は登山道の途中にありますが落石の為、通行止めになっている登山道の途中にあり、この場所はまさにその場所で危険な場所です。私は専門家ではありませんので正確にはわかりませんが危険だと思います。温泉の周囲には最近落ちたと思われる落石はありませんでしたが40〜50cmくらいの落石がごろごろしています。南の絶壁はみるからに大規模な崩壊がありそうな場所です。ですから家族連れや会社の同僚を誘ってわいわいがやがやと楽しく行くような場所ではありません。以前、丹沢の玄倉川の中州でキャンプしていた大勢の人が亡くなりました。15年に1度の増水との事です。交通事故にあうような確立ですが大勢の人が亡くなってしまった事を思うと運が悪かっただけでは済まされないものがあります。この場所に行く事はそれに等しいと言えます。私もこの事を思うとこのページを掲載して行く人が増えるのはまずいと思ったわけですが、みんなが行くからと行くという人が増える前に危険を認識した上で行くかどうかを判断できた方がいいと思い掲載する事にしました。
私はこの時行った事を後から考えると随分と無茶な事をしたと反省しています。多分、これから先、私がここへ行く事は無いと思います。
上記のぬるい湯から20mほどの所に大きい岩がありその右に小さい岩がある。登る方向からは見えにくいが岩の上に矢印があり、右手のふきの間に道がある。ここを行けば温泉の直下に出る事が出来、少しだけ落石の危険が薄らぐ。ガスが勢いよく噴出しているので注意しなければならない。幸い東風の微風が常にあり谷から山へ吹く風がガスを山の上の方へ流していたので少し安心出来た。煙の出ている方に向かって急斜面を登るとそこには既に幾つか湯船が出来ていた。
温度は48℃、36℃、41℃、とまちまちであった。多分季節により変化するのだろう。だいぶ時間がかかったが熱い湯船に急斜面に流れる沢水を調整してようやく43℃になった。常に落石に気を張り詰めながら入浴。舐めてみると味は無い。火山灰のような花崗岩を粉々にした様な白と黒と灰色の細かいつぶが混ざったクリーミーな泥が湯船にたくさん堆積していて、湯船に浸かるとそれらの灰が舞い上がる。野湯としてはすばらしいものですが危険と背中合わせなのでお勧めしません。