利尻岳
利尻岳に登るには利尻島に行かなければならない。あたりまえだ。利尻島へはフェリーで行くがフェリーで行って登って、その日のうちにフェリーで帰るのはちょっと無理だ(利尻8:10着、15:30発)。という事は利尻島で1泊はしなければならない。車で行くと荷物は持って行けるが、片道¥16,170、ちょっといたい。2等なら片道¥1,880これしか無いな。今回、初のキャンプ決定。キャンプ場は無料だし。前日に利尻に行ってキャンプだけではつまらないので礼文島にも行きたい。礼文島へは第2便(稚内7:30−礼文・香深9:25)で行って、時間が無いので定期観光バスで1周(花の浮島、礼文島完全一周。所要時間3:40)これだと食事の時間が無いので、日持ちのする食パンを2斤といちごジャムとオレンジマーマレードを1つずつ持って行く。利尻へはまたフェリーで行く。(礼文・香深13:45−利尻・鴛泊14:25)利尻に着いたら利尻温泉で汗を流す事が出来る。計画完了。
’99年7月27日 雨。今日も雨が降ったり止んだりで何時になったら晴れるのか。地元の人に聞いた所によるとこういう天気が2週間も続く事があるらしい。稚内では運動会を8月にするとか。今ごろは天気が良くないのか北海道には梅雨が無いと聞いていたが雨の連続が梅雨で無いのは変だ。あまり待っていても仕方がないので明日は決行しようかと思っていたら夕方、西の空がわずかに夕焼けになったので、少し気を良くした。後は祈るだけだ。
’99年7月28日 曇り。たまに小雨。フェリーの第1便(6:20発)で行こうかと思ったが準備に手間取り乗り遅れる。
礼文島へのフェリーは天気が悪く平日なのにすごく混んでいて座れない。ツアーの団体さんが多い。ガイドの人も何人かいる。4〜5組の団体がいるようだ。人気の場所なのだろうか。荷物も多いので通路でリュックを椅子がわりに座り込む。礼文島へはほぼ時間通りについた様に思う。定期観光バスは9:40に出発するのであまり時間が無い。混んでいたので下船してフェリーターミナルに着いたのは30分を過ぎていた。切符を買わなければとフェリーターミナルに入ると定期観光バスの切符売り場が見つかった。何しろ初めてなので気の弱い私としてはドキドキだ。何人か並んで列が出来ている。間に合わない。一瞬そう思ったが、客を残して出発する訳が無いと変に度胸を出して落ち着いて列の最後に着いた。もし乗れなかったとしても又なにか考えて観光すればいいさと思った。切符が買えた時には40分の2〜3分前になっていた。急いでフェリーターミナルを出てバスがたくさん並んでいる方へ行った。しまった、窓口でバスの発着場所を聞くのを忘れた。どのバスか分からない。でも幸いに一番近くのバスがその観光バスだった。バスは2台あるらしい。私は後のバスに1番に乗った。ラッキーな事に前のバスは1号車でこれがいっぱいになると2号車に乗るようで2号車はガラガラ。私は2号車の運転席の横の1人席に座った。どうやら間にあった。
時間になったがバスは発車しない。どうやらトイレに行っている人がいたようだ。バスは5分遅れて出発。最初は礼文島の南の方のめのう海岸へ行く。ここで¥300のトドの串焼きを食べた。1本¥300はちょっと高い。色は黒く脂身は無い。味はどうかって?行って食べてみてちょ。トドの串焼きを食べていると¥1,000のうに丼を食べているのを見て、つい私も食べてしまった。大幅超過出費。めのう海岸でめのうをいくつも拾った人もいたがあまり高価なものでは無い。バスが北の岬へ走り出すとガイドさんにどこか食事の出来る所はないかとたずねるグループがいた。時間がないからなあ。何か飛行機が遅れて食べ損ねたらしい。ガイドさんはフェリーターミナルに電話をしておいて食べればとか言っていたが、結局、予定時間より早く終わって充分時間があったのでフェリーターミナルで食べたようだ。早く終わっても今日はあまり天気がよく無かったせいもあり、急ぎ早の観光ではあったが充分楽しめた。
利尻島までのフェリーもまた同じ様に混んでいた。天気は午後になってさらに悪くなりフェリーはかなり揺れた。フェリーが出港すると霧の中に礼文島は消え、利尻島もまったく見えなかった。礼文島から出港して10分もすると船酔いの人が出た。利尻までは40分なのに体調でも悪かったのだろうか。
利尻温泉
フェリーを降りるとフェリーターミナルで利尻の無料ガイドブックを見つけた。利尻温泉への地図がある。よかった。荷物を軽くするためコピーしておいた地図を忘れてきてしまっていた。30分ほど歩いて利尻温泉に着いた。温泉に入っていると、今日、利尻岳に登ったが風が強くて途中で帰ってきたという人と話をした。ここでは食事が出来、コインランドリーもあった。
利尻温泉を出てキャンプ場の方へしばらく汗をかきかき歩いていると、軽自動車のワンボックスの女性が止まって乗せてくれた。ラッキー!家族で登山に来ているらしい。キャンプ場は奇麗なトイレ、水道がありしかも無料だ。私は2つの水筒に3リットルの水を詰めてきたのですごく重かった。そんな必要は無かったのに。キャンプ場に着くと雨がまた降り始めた。雨の中、急いでテントを張ってもぐりこんだ。なんだか湿っぽい。隣のテントの人は今日登山して頂上まで行ったらしい。寒くて震えていたが、ここで会った2人の友人と利尻温泉に行った。
夜は強い雨が降ってかなり冷えた。私は夜中に目が覚めて持ってきた、上着2枚を着て、靴下を2足重ねヤッケも上下着て、シュラフにもぐってもまだ寒かったが、何とか我慢できた。
’99年7月29日 曇り
4:25登山開始。幸い雨は降っていない。
4:35 甘露泉。 5:37 10分休み 。
5:50黒っぽい20cm位の鳥が手の届きそうな2m位の所に2羽いた。人を恐れないのか。でもカメラを取り出しているうちに飛んでいってしまった。
5:56 五号目。6:18上の方が晴れてきた。いいぞ!
6:42 七号目。7:06 12分休み。
7:40 見晴らし。14分休み。食パンを食べる。
8:04 避難小屋 8:34 九号目。5分休み。
9:22 頂上。頂上は雲の上に出て快晴。強い日差しが照り付ける。下は一面、雲の海だが、わずかに鴛泊の町や港が雲の切れ間からはっきり見える。10:17下山開始。
9:53 九号目。 11:14 避難小屋 11:56 七号目。12:31 五号目。12:57 四号目。13:20 ポン山分岐。
13:22 甘露泉。甘露泉の水を2つの水筒に詰める。合計3リットル。10分休み。13:38登山口着。
利尻岳は良かったのだが。持って行ったカメラはオンネトー湯の滝で落としたせいかピンボケ、デジタルビデオカメラはノイズが入って左の様になってしまった。デジタルビデオカメラがこれほど湿気に弱いとは。でも胸の内に焼き付いた感動は永遠だ。と言いたい所だが時間と共に忘却。忘れたらまた行く楽しみが増えるという事か。
あと余談になるが下山の途中、雌阿寒岳で会った外国人にあった。彼の方から声をかけてきたので気づいた。やはり、私の麦藁帽子は印象が強いとみえる。彼は昨日、私と同じようにキャンプをしていたようだ。下りは沓形(くつがた)の方へ降りるらしい。
利尻北麓野営場には電話ボックスがあり、タクシーを呼ぶ事は出来るが、体力試しに歩く事にした。急いでテントをたたみフェリー目指してGo!テントを背負うリュックで無いのに無理矢理テントを押さえているので紐が伸び切って今にも切れそう。甘露泉の水をめいっぱい持ってきたのでやっぱり10kg位はある。なんだそれくらい、という人もいるだろうが、私にはつらい。利尻北麓野営場から利尻温泉まで30分。そこからフェリーまで30分。利尻温泉にタクシーがいたら乗ろうと思い、途中でタクシーが通りかかったら乗ろうとか思い、振り向きながら歩いたけれど、結局タクシーには会わずに合計1時間を歩いて、もう疲れた。