ヌプントムラウシ温泉
ヌプントムラウシ温泉はトムラウシ山のふもとにある無料で入れる温泉です。温泉の温度が高く温泉卵が出来るとガイドブックに書いてあります。
午前10時に群馬を出て、高速を使わないで新潟のフェリー港に着いたのは夕方の5時でした。小樽行きのフェリーは午前10時頃の出発なので、新潟で1泊する予定でしたが、23時50分発の苫小牧行きがある事がわかりこれに乗る事にしました。新潟−苫小牧のフェリーは船の中で1泊し次の日の午後5時30分に苫小牧に着きます。だから、翌日の朝食と昼食はフェリーの中です。フェリーの中の食事は高いだろうと思いビールやらおにぎり、パンを買い込み乗船しました。ところがフェリー内のレストランはそれほど高くありませんでした。町中のレストランとさほどかわりません。また、フェリーの中でただで風呂に入れて快適です。フェリーに乗った次の日はほぼ1日中船の中ですが、天気がよければ津軽海峡では青森と北海道が見えると思うのですが、あいにく天気が悪く全然見えません。フェリーの中で隣だった1人旅のバイクおじさんとフェリーのレストランで昼食をとりました。私はミニいくら丼にしようかとも思いましたが、結局ラーメンセット(¥750)にしました。バイクおじさんはミニ丼(たしか¥530)と味噌汁、冷やっこで合計¥1000を超えてしまいましたが、そのミニ丼は本当にミニで1口で食べられそうな程小さかったので、ミニ丼を頼まなくてよかったと思いました。
フェリーの中で北海道の予定を考えました。最初は小樽に下りるつもりだったので最初に前に北海道に来たときに登りたかった、大山に登ろうと思っていましたが、苫小牧に下りるので一番近い山は幌尻です。しかし、この山はちょっと私には無理の様に思えます。次に近い山はトムラウシ山です。しかし、この山も合計11時間も歩かなくてはなりません。私は最初の頃、尾瀬ケ原へ行きましたが6時間歩いただけで足にまめが出来、足が痛くなりくたくたになりましたが、屋久島の宮ノ浦岳では幸運にも8時間あまりを歩き通しましたが、今度はこれをさらに超えています。1日中フェリーの中で考えましたが、結局、最初はトムラウシにトライする事に決めました。フェリーを下りて西へ車を進めます。北海道の道は広くまっすぐで、しかも渋滞がないので気持ちがいい。私は北海道ではゆっくりと経済速度で走る事で気持ちにゆとりを持ちたいと思いました。北海道では信号がほとんどないので1時間に1km位行けるので、地図のキロ数であとどのくらい時間がかかるか直ぐにわかります。でも、地元の人は1時間に80km位進みたいらしいので、時々道端に車を止めてやり過ごします。北海道では車が少ないので、しょっちゅう止めなくてもいいので、いらいらする事もありません。この日は結局トムラウシ山の登山口まで行けそうになかったので途中のスーパーで卵を買い、次の日はヌプントムラウシ温泉に向かいました。
‘99年7月19日 ...ガイドブックに地図がありましたが、良くわかりません。最後は狭い未舗装の道を行かなければならないとあり心配です。トムラウシ山へは新得町から行くようですが、私は清水町から行きました。苫小牧から国道274号を来ると国道38号と交差する所で一度左折しますが、50mほどでまた右折となり国道274号に入りますがここから3.5kmほど行った所の信号を左折すると、すぐに直進トムラウシ温泉の案内があります。後は真っ直ぐ北へ約60km行けばトムラウシ温泉ですが、最後の10km程手前の曙橋を右折すればヌプントムラウシ温泉です。曙橋から先はどっちに行っても未舗装です。しかし、ヌプントムラウシ温泉への13kmはそれほど狭く無く乗用車ならすれ違い出来そうです。また私が行った時は未舗装ながら道は平らで4WDの必要はありませんでしたが、後から聞いた話では、つい1週間ほど前までは道はすごくガタガタだったそうですが最近道をならしたそうです。(ラッキーでした)未舗装の道なのでスピードも出せず30分程も行くと山小屋が見えキャンプのテントが見えましたが、秘境という事だったので、ここではないと思い、さらに50m程行くと左手に何やら白い煙が、あわてて車を止め、転回出来ないのでバック。ここだったのです。車を河原に止め温泉に入る準備をしていると、掃除でお湯をぬいちゃったから時間がかかるわよ、との声が。それではと、インスタントラーメンで朝食を作っている間にもう入れますとの声が。ありがたい。急いでラーメンを食べて、温泉へ行く。ヌプントムラウシ温泉には所沢から来た老夫婦がいて、もう1週間もここにいるそうで、他の人と協力して毎日、風呂の掃除をしたり温度調節をしてくれていたおかげで、何の苦労も無く入れました。温泉には脱衣所があり風呂の回りは新しい木で囲ってあり、なんとも贅沢な作りです。男ばかりだったので水着は着けず快適です。
ここで、途中で買って来た卵を3ケアルミカップに入れて、すぐ側のボコボコと湯気の出ている所に入れようとしたら、そこじゃだめだよ、マンホールの手前に入れないと卵が割れて風呂に入って来ちゃうよと教えてくれたので、それは大変とマンホールの手前のちょっとせき止めてある所へ卵を入れたが、持って来た温度計で温度を測ると68℃これでゆで卵が出来るのかと思いながらも、ここに入れて温泉に入る。しばらく温泉に浸かっているとなにやら湯気が妙に激しくなってきた。ここは間欠泉なのでいつも熱い温泉がたくさん吹き出しているわけでは無いそうだ。おじさんが慣れた手つきでバルブを調整しだす。ここには温泉と水のバルブが有り自由に温度調節が出来るらしい。しばらくして卵のお湯の温度計を見に行くと88℃そうだったのか、と納得。1人が帰ってさっき来たバイクおじさんが加わって、私を入れてちょうど3人。卵を1人1個ずつ、私が持ってきた塩をちょっとかけて食べた。ちょうどいい加減に茹で上がっていてうまい。ここの風呂の回りの木や川にかかっている丸木の橋は最近、大水で流されて新しくなったばかりとか、どうりで新しい筈だ。ここには水道は無く、トイレはありますが紙はありません。北海道ではエキノコックスという病気があり川の水を生で飲むとこの病気になる事があるので注意が必要です。エキノコックスはきつねを媒介して伝染するのできつねを触る事も危険があるようです。よく手を洗いましょうとの事。後、私が入った時はいませんでしたが、アブがいるそうで特に夜は注意して下さい。それから、茹で卵で無く、ふかしイモも出来ますが、カラスに持っていかれる事があるので、ずっと側についている必要ありとか。とにかく、ここは北海道でも1番いい温泉ではないかと思います。時には土日曜など大型バスで大挙して来る事もあるらしいので静かな日を選びたい。